今日のひげ

FUKAIPRODUCE羽衣メンバー。俳優・高橋義和のブログです。現在はブログはほぼ休止中です。

五反田団を見る

五反田団さようなら僕の小さな名声」(駒場アゴラ劇場)を見た。作・演出=前田司郎。

これからそれを見る方は一応ですけれど、この下、線と線の間を読むのまた今度にしてもらったほうがいいかもしれないです。ちょっと、軽くですけど、内容を少し説明とか、それに触れつつ思ったことを書いたりとか、しちゃうので。ともかく、面白かったということについての。








劇作家の前田司郎が恋人(なのかどうか、人なのかどうかも。)から岸田戯曲賞を2個もらったのだが、全然自分に興味を持たない記者達(世間)に注目されようとして岸田賞の1つを恵まれない人達にあげると咄嗟に発表。で、そのためリスの運転する夜行バスで貧しい国に行き、ガムにカレーをつけて食べる郷土料理をご馳走になったりしつつ、最後には飲み込まれた「世界」の音を聞く、という話。だいぶ端折ってますけど。
要するに馬鹿馬鹿しい展開の中で、自分に対してつっこんだりもやもやしていたりという話。この2年間で岸田國士戯曲賞の最終候補に2度、三島由紀夫賞の候補に1度なりながらいずれも獲り損ねている前田さんならではの作品。私演劇とチラシには書いてあったけど、内向きになり過ぎず、素晴らしい出来。


本当にどうでもいいような台詞、落語で言えば「夢でおならを踏んづけたような話」(褒め言葉)を積み重ねながらこっそりとこちらにいろんな感情を、言葉に出来ないようなものも含めて植えつけてくる。で、知らぬ間にどこかに連れて行ってもらえる作品。笑っていて気づいたら宇宙みたいな。いや、宇宙じゃないんですけど。舞台の上にはただ大きな布団が敷いてあって、脇に出入り口用の暗幕が吊ってあるだけのとてもシンプルな装置なので、脳内でどんどん飛んでいかせてもらえるという。
私の好きな「いいじゃねえさ感」も全編にわたって大いに感じられたし。それにしても面白かったなあ、本当に馬鹿馬鹿しくて。


これ以上ちょっと私には伝えられないので、まだやってますから暇だったら行ってみてもいいかと。演出も面白かった。入場料が1500円と安めだというのも含めて、無責任にお勧め。これで岸田賞獲ったら爆笑ですが。岸田賞をもらう話で岸田賞。






デトロイト・メタル・シティ (2) (JETS COMICS (271))」も読む。わあ、帯を羽海野チカが。どういう流れでそこに頼むことになったのか。