今日のひげ

FUKAIPRODUCE羽衣メンバー。俳優・高橋義和のブログです。現在はブログはほぼ休止中です。

二本松散歩の日

黒塚

福島在二日目。


朝、6時に起きてまずは温泉。贅沢を堪能。
ビュッフェの朝飯を食べて、なんとなく岳温泉を散歩してから宿を引き払って、宿のバスで二本松駅に戻る。
さらに北上して福島市に行くか、宇都宮まで戻って餃子を食べるかなどとぼんやり思いつつ、ひとまず駅の観光案内所へ。
市内各所で「重陽の芸術祭」というアートフェスティバルをやっていることと、「黒塚」「奥州安達ヶ原」の基になった伝説がある場所がこの辺りであると知り興味を惹かれる。二本松に留まることにして、歩いて巡る。
まずは鬼婆・岩手を葬った東光坊が開いた観世寺と、岩手の墓・黒塚へ。拝観受付の窓口では、おどろおどろしい物語の舞台に似合わず、愛らしい猫が二匹で仲良く遊んでいた。が、人がいない。しばらく猫を見ていたがあまりに可愛すぎてずっと見てしまうので、すみませんと呼びかけたら坊守の方が来てくれた。猫は驚いていなくなってしまった。
寺の中に入ると「黒塚」のことが描かれた掛け軸など、多数。武谷さんのことがとても思い出される。
黒塚は阿武隈川の土手にひっそりとあった。台風で増水した川と、冬の前の東北の空気と、人が全くいない雰囲気が相待って、もの凄さがあった。
そのまま寺のすぐ裏にある安達ヶ原ふるさと村へ。昔の農村の建物などが再現された広大な公園。とてもひっそりしている。
芸術祭関連で公開されていた月岡芳年の掛け軸があまりに凄く恐ろしかった。絶対、家に飾りたくない。
岩根愛の写真作品が力強くて楽しい。でも寂しく悲しい。


さらに歩いて、高村智恵子の生家と記念館へ。高村光太郎の作品も数点。心を病んでから製作したという智恵子の紙絵がどれも素晴らしい。
と、高村光太郎の詩に合わせた清川あさみの作品。素敵だった。


数は少ないながらパワーのある作品ばかりで、たくさん歩いたことも合わせてちょっと疲れた。あと、数が少ないと1点ずつものすごく集中して見るのでくたびれる、ということも分かった。
ので、そのまま二本松の隣駅、安達駅まで歩き、まだ明るい時間だが電車に乗り、東京方面に帰る。
郡山駅で買った、のり弁がおいしい。しゃけと玉子焼きが駅弁のレベルではない。
うとうとしつつ、ビールを飲みつつ、帰京。

北千住の立ち飲み屋で串カツ。人が多くてうるさくてちょっと安心する。


いい場所を選んだ一泊旅行だった。
仕事さえなければ北上しながら二、三泊したかった。青森のヒラメ漬け丼はいつか食べに行きたい。